社長と「5分前の精神」

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日本で海軍が創設されたのは明治の初期です。

初めて海軍を編成した時、集まった軍艦といえば、かつて諸藩の大名が所有していた帆船、つまり帆掛け船でした。

現代の軍艦と違って電信、電話などの文明の利器は当然設備されていません。

たとえば艦長が出港用意の指示を出す際、現在なら艦内放送や内線電話で艦内の隅ずみまで瞬時に知らせることができます。

当時は艦長付の伝令がメガホンを持って駆け足で艦内を一巡し、艦長の命令を各部署に伝えました。

この所要時間が約5分でした。

さらに5分という時間は、物事を準備するのに長くもなく短くもなく、ちょうど手頃な時間であり、重要な作業を開始する場合に、5分前に定位置に付くことが慣習になったのです。

「5分前の精神」の狙いは2つあります。

第一は、事前の準備をしっかりせよということ。

取り掛かる仕事に向かう心の準備を5分前からします。

時間のゆとりが人の心に「よし、やるぞ」という気構えを作ります。

第二は時間を厳守せよということ。

海軍は時間にうるさい機関でした。

艦はひとたび出港してしまえば、1分1秒でも遅刻したならどんなに水泳の達人でも追いつくことができません。

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