◆婚約の発表と婚約式の挙行
婚約と結納の関係につきましては、いろいろのべてきたとおりです。
婚約はふつうの約束事と同じで、申し込みと承諾で成立し、結納のあるなしは重大ではありません。
ただ結納の贈答で内祝いをしたり、また、たとえば、ダイヤの指輪を輝かせたりすることで、それが確立したものとして、だんだん話がつたえられていくのは事実です。
従来のしきたりでは、あとは挙式を待つだけだったのですが、昨今では婚約発表のパーティーを開いたり、婚約式を行なって、先輩、同僚、知友を招待する風も多くなってきています。
結婚が家と家との取引だった時代には、伸人さんが"勝男（鰹）節"とか、"寿留女（鰻）"とかと印刷した紙（結納のこと）をもって、両家のあいだを往復すればよかったのでしょうが、本人たちが中心の時勢とあっては、この事実を公表して、祝福と社会的円滑を期待するのは当然です。
◆婚約パーティーのやり方
婚約に対する考察はこれくらいにして、若い人たちの間で行なわれている婚約発表のやり方を、ご参考までに一例しますと、多くはパーティー式の持ちよりであるようです。
まず友人などの有志が、何々さんと何々さんの婚約を祝う実行委員会といったものをつくり、主旨、時、所、会費、申込締切を記した案内状を発送いたします。
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