社長・上司の結婚式挨拶「運命を自分の力でよい方向へ」

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朝倉友雄でございます。

菊の香が酸郁たるこのよき日を迎え、新郎新婦はもとより、ご両家にとりましても、まことにお喜びのかぎりと心からお祝い申しあげます。

新郎の曽根君は、わが社のホープと目されており、上司である私も、彼の仕事に対する才覚と手腕を高く評価しております。

どうか、このご結婚を機に、いっそうの視野の拡大と気力の充実をはかり、心機一転して仕事に対処していただくことを願っております。

私は、会社の常務取締役という立場から、さまざまな人たちを数多く見てまいりました。

そして、思いますには、人にはそれぞれ持って生まれた運命というものがあり、いわゆる成功する、成功しないも、運命の力によるところが大きいものと存じております。

しかしながら、すべて運命で片づけられるかと申せば、決してそうとばかりは言いきれず、もし運命の力が70パーセントだとしたら、残りの30パーセントは本人の努力のいかんにかかってくると思われます。

わが国産業界の大先輩である松下幸之助氏も、私と同じような考えを持っておられたことを知り、大いに意を強くいたした次第でございますが、自分の力ではどうすることもできない運命も、自分に与えられた仕事、あるいはなすべきことを誠実にやっていれば、よい方向に変えていけるものと私は信じております。

たとえば、もし魚屋さんになることが運命だったとしたら、それを自分の天職として商売に励めば、やがては大きな水産会社の社長にだってなることができます。

要は"誠実に働く"という一語に尽きるのです。

新郎の曽根君も、毎日の仕事に誠実に励まれておりますが、うまずたゆまず努力を重ねていけば、必ず自分のめざすところへ到達することが可能なのです。

結婚生活もまた同様かと思われます。

「幸福な結婚生活を支えられるのは、愛情と信頼、思いやりの三本の柱である」iこれは西欧のことわざです。

この言葉を新郎新婦にはなむけとしてお贈りし、おふたりの結婚生活がいつまでもお幸せであることを祈ってやみません。

皆さまも、このおふたりに、どうぞご声援を賜りますようお願い申しあげます。

本日は、まことにおめでとうございます。