頼まれ仲人のスピーチの例

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本日は山田、中村ご両家の慶事にふさわしい、よい天気になりました。

もえ出つる新緑がひときわ映える喜びの日であります。

みな様には、お忙しいなかを、このように多数ご列席くださいまして、祝福を寄せられたことに、心からお礼申しあげます。

私は、ただ今ご紹介にあずかりました市会議員の山松雄作でございます。

さて、新郎山田健彦君、新婦中村陽子さんの結婚式が、当ホテル五階の神殿にて、厳粛にとり行なわれましたことをまずもって皆さまにご報告いたします。

新郎新婦、山田、中村ご両家の皆様、おめでとう

ございます。

実は私、この場でこうして媒酌人としておしゃべりいたしておりますが「月下氷人」の役として、この話をとりまとめるべくご奔走くださった功労者は別におられるのです。

武田さんご夫婦、どうぞお立ちください。

皆様、本当の「縁結びの神様」であります武田さんご夫妻のご苦労に、どうぞ拍手をお送りください。

それでは型どおりに、新郎新婦のご紹介をさせていただきます。

新郎健彦君は本年二十七歳、うらやましいほどの若さでありながら一人前の経営者でもあります。

二年前、父君の経営しておられる当市の老舗「無極庵」から独立し、二丁目に「蓬莱庵」ののれんをかかげまして、日本そば一筋の職人さんであり、経営者たらんと精進を重ねておるのでございます。

若年ながら、この道十年になんなんとする、今どき少ない名人かたぎで、手打ちそばの技術とその味は、お得意様をどんどんふやし、今や父君の強敵という声も聞こえてまいります。

新婦の中村陽子さんは、三丁目で中村文具店を経営しておられます、

啓吉、春子ご夫妻の次女でいらっしゃいます。

明徳女子短大を卒業後、お茶やお華の花嫁修業とともにご自宅の文具店を手伝っておられました。

そんな折り、新郎のご母堂から相談を受けておられた、町内会長であられる武田さんが、陽子さんに健彦君のことをそれとなく話してみたところ、陽子さんのほおがポッと赤くなったとのこと。

武田さんは、これは脈がありそうだとふんで、一気にこの華燭の式典まで話を運んだといいます。

実に素早く慧眼な「時の氏神」だったわけです。

お二人に、式の前に話を聞いたところ、小学校、中学校も同じで幼なじみ同士だったということ。

こうしてヒナ壇に寄りそう二人を見ていますと、互いにいつの間にかにくからず思っていたのかもしれません。

幼なじみであり、近所同士であれば、お互いに長所欠点も知りつくしているかとも存じます。

良縁これに勝るはありません。

どうぞ皆様、若い二人のこれからが明るくありますよう、ご助力を賜りたく存じます。

本日はありがとうございました。

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