このたび田崎順司君と山田理江さんの婚儀がめでたくととのい、先ほど当式場にて、おごそかに結婚式が行なわれ、前途ある新しいカップルが誕生いたしました。
媒酌人として皆様にご報告いたします。
新郎新婦ならびにご両家の皆様、おめでとうございました。
新郎田崎順司君は、わが共栄物産の明日のにない手であります。
中小企業ですので、ご存知ない方が多かろうと存じますが、当社は家庭、台所用品を全国に卸売りしております。
三年前になりますが、京葉大学社会学部を優秀な成績で卒業なさった田崎君は、一片のためらいもなく私どもの会社に
入社してくれました。
面接を行なった私は、実は内心、今どきの大卒に何ができるか、という気持ちでおりまして、冷ややかな眼で眺めておったような次第でした。
しかし、私が自らの不明を恥じねばならない日は、一年後にやってまいりました。
もちまえのバイタリティーと忍耐力を発揮した田崎君は、なみいる先輩たちをおしのけて、営業成績ナンバーワンの座に着いたのであります。
聞けば、学生時代からサッカーでからだを鍛え、副主将をつとめた指導力も備えた人物。
私は心底、自分の眼力のなさを恥じいった次第であります。