一方から交際を望む返事があった後で、他方の返事を聞く時、仲人としては、一方が交際を希望していることは、伏せておきます。
その理由は、もし他方が断った場合、断った側に相手が交際を望んでいることを知らせないことによって、多少なりとも断られた側への気休めになるからです。
双方が交際を希望したら、仲人は双方に対し「先様もご交際を望んでいらっしゃいますので、お二人で打ち合わせられて、ご自由にご交際を」と連絡をします。
どちらかが断ってきた場合、仲人は断られた方に対して
「いいお話だと思ったのですが、ご縁がなかったのでしよう。
また、良いお相手がいらっしゃったら、ご紹介させていただくように心掛けておきます」
と、相手の立場を考えて、余韻を残した断り方をします。
仲人は、見合いの本人の意思を左右するようなことは慎むべきですが、本人がどうしても迷って決心がつかずにいる時などは、第三者の冷静な目で判断してアドバイスしてあげましょう。
特にささいな点で悩んでいる時は、それが公平にみてあまり結婚生活に影響を与えるものではないとか、注意することによって直るたぐいのものであれば、それを指摘し、良い方向へ導くのも仲人の役目といえます。